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2023年12月14日

岡浩一郎先生 講演
『病を生む”座りすぎ” -それでもあなたは座り続けますか?』

岡浩一郎先生による『病を生む”座りすぎ” -それでもあなたは座り続けますか?』の講演内容をご紹介いたします。

先生によると『運動をしていても、座り過ぎることが体に悪影響を及ぼす』とのことです。

1. 座位時間の近年の傾向

現代人は身体活動量が減り、技術革新に伴い座位行動の時間は長くなっています。
日常生活で覚醒している時間の2/3は、座位か臥床して過ごしており、特に日本人は座っている総時間が世界1位。1日8時間以上座っている人は男性38%、女性33%に上るとのこと。
その座位時間の理由で一番多いのは『テレビ視聴』だそうです。

2. 座りすぎが及ぼす健康への影響

座り過ぎが原因で”発症”する症状は以下のものがあります。

  • 肥満・糖尿病
  • 首肩腰の負担
  • サルコペニア(※加齢で筋肉の量が減少していく現象)
  • 心臓病、脳卒中
  • 認知症の発症
  • うつや不安
  • ガン

※身体活動や喫煙、飲酒などの影響を取り除いた上で、座り過ぎによりこれらが発症しやすくなります
※腰痛の発症とは分からないですが、”悪化”とは関係があります

『死亡リスクとの関係』では、座りすぎで8時間15% 、11時間40%も死亡リスクが上昇します。
1日連続座っている(30分以上)と総座位時間での比較は、総座位時間が長い方の方が死亡率は高くなりました。

また『座位時間と歩行速度と握力の関係』では、座位時間が長くなると10年後の歩行速度や握力の低下に相関があるとわかりました。

3. 健康寿命を失わないために

しかし、1日でしっかりと運動する時間が60~75分あると、座りすぎによるリスクを下げることができます。
1日の総座位時間の30分を体へ動かす行動に置き換える事が出来れば、中高強度だと30% 、低強度だと10%、座りすぎによる健康へ及ぼす影響を下げることができます。

4. どのような対策をとるか

岡先生は、座りすぎによる健康への悪影響を軽減するため、以下の事を提唱しました。

  • 30分に1回(2、3分)はブレイクをする。難しい運動は必要ない。「踵上げ、スクワット、その場で足踏み」などでも効果がある。
  • 同じ姿勢を続けない。(何かにとっていい姿勢は、何かにとって悪い姿勢である
  • 下肢には全身の筋力の70%の筋肉があり、座っていると筋肉が動いていない。座ったまま足踏みや膝の曲げ伸ばし、踵上げを行う
  • 強度も大事であるが、頻度も大事である。
  • ご利用者様が具体的にどこでするかをイメージさせてあげることで、行動に繋がる。
岡 浩一郎 先生

1970年生まれ。
早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。
博士(人間科学)を取得。
研究分野は健康行動科学、行動疫学。
特に運動不足の弊害、今日の日本人の老若男女を問わず運動不足を、無理なく解消させる方法を研究テーマにしていて、国民の健康寿命を延ばすことへの関心の高さから、研究動向が注目されている。
近年は欧米で先行している座り過ぎの健康被害に関する研究の第一人者として脚光を浴び、NHKの「クローズアップ現代」「あさイチ」、日本テレビ系列「世界一受けたい授業」などの、いずれも座り過ぎの弊害に迫った特集にて解説者として出演。大きな反響を呼んだ。

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